ひそやかな夢
こんな夢を見た。 清らかな小川の水底のような美しい瞳。その瞳の水面がゆらゆらとゆらめいては、ひとつ、またひとつと雫をこぼしている。これは、涙? 静かに流れ続けるそれは拭われる気配もない。 「会いたかった」 彼がそう…
続きを読む →こんな夢を見た。 清らかな小川の水底のような美しい瞳。その瞳の水面がゆらゆらとゆらめいては、ひとつ、またひとつと雫をこぼしている。これは、涙? 静かに流れ続けるそれは拭われる気配もない。 「会いたかった」 彼がそう…
続きを読む →君が教えてくれた木蓮が、 花を咲かせている 空に向かって、開かれた白 あるいはうす紫 わたしは君に見せたいと思う 君が傍にいないときでも 君が世界を変えてゆく 君が世界に溶けてゆく わたしのこの目に映る…
続きを読む →眠る前のひとときに、毎晩彼女とふたりベッドに寝そべって、行ったことのない場所の話をする。最初はなかなか眠ることのできない彼女に俺が作った物語を話していたのだけれど、その途中で彼女があれこれ質問をするから、いつの間にかこ…
続きを読む →ある新月の晩、俺の恋は一片の曇りもない宝石になった。ベッドにひとり眠る彼女の白い頬をいつまでも見つめる俺を、神様が気の毒に思ったのかもしれない。それとも言葉にならないままのお前への気持ちが、とうとう現実の世界で形を持っ…
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