言ノ葉
パソコンのキーボードを叩く手を止めて、窓の外を見る。窓の向こうには触れればとろりと溶けそうな乳白色の空。雲の緩慢な動きから、風があまり吹いていないことが分かる。刻一刻と変わり続ける空模様は、いつ見てもちがう表情をしてい…
続きを読む →パソコンのキーボードを叩く手を止めて、窓の外を見る。窓の向こうには触れればとろりと溶けそうな乳白色の空。雲の緩慢な動きから、風があまり吹いていないことが分かる。刻一刻と変わり続ける空模様は、いつ見てもちがう表情をしてい…
続きを読む →ゴールデンウィークの街は、その名に相応しく輝いているように思う。道行く人の顔も明るく、絶え間なく賑やかな声が聞こえる。その街と人とを彩るように、カーネーションの花が咲いている。花屋はもちろんのこと、ショーウィンドウの中…
続きを読む →「好き」 という言葉が、万年筆の先からほたりと落ちるインクのように溢れた。そのふたつの音は部屋の空気をわずかに震わせ、どこへも届かないままに消失する。ディスプレイの向こうのあなたは、天下泰平といった様子であくびさえして…
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