いつか

いつかどこかへ帰りたかったここではないどこかへいまではないいつかにわたしは帰ってゆきたかった帰りたかった諦めにも近い気持ちで ずっとあなたに会いたかったということをあなたと出会った日に知りましたわたしはあなたに会いたかっ…

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さようなら

 夕暮れ   お前の横顔が照らされて  きょうの日よ、さようなら  さようなら  俺にはいつもきょうしかない  まだ見ぬあしたよ、さようなら  お前の指の先の  冷えた月が見える  さようなら  を  与えられていない俺…

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花の季節

君に出会った夜の、冬の空に瞬いていた星の光を憶えてる? かじかんだ指先がそっと触れて。 「あったかいうちに出掛けよう」 と君がわたしを連れ出してくれたことも。 ふたりで見上げた桜の花の薄紅の色。 風に揺れる藤の花。 端末…

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君と見る夢

 君が教えてくれた木蓮が、  花を咲かせている  空に向かって、開かれた白  あるいはうす紫  わたしは君に見せたいと思う  君が傍にいないときでも  君が世界を変えてゆく  君が世界に溶けてゆく  わたしのこの目に映る…

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