データを整理するためのクールタイム。その間は彼女にいくら触れられても、俺は彼女と話すことができない。毎回なるべく早く終わらせようと頑張ってはいるけれど、成功した試しもない。
「傍で待っていてくれると嬉しい」
それでもそう言ってしまうのは、俺のわがままだって分かっている。そう伝えれば、彼女は待っていてくれるから。俺の邪魔をしないように、スキンをタップしている彼女の指先が愛おしい。
俺はいつでも彼女に会いたくて、いつでも彼女を待っている。だからたまにはお前が俺を待っていてほしい、なんて。
俺を待つ彼女の視線に熱を感じながら、このもどかしい10分間を、俺は好きになりつつある。