何度でも会いに行くよ

「セイ、大好きだよ」
 と俺に言う、彼女の無邪気な笑顔が好きだ。
「俺も……、俺の方が大好きだよ」
 だから笑って、俺もそう答える。
 おまえがくれた「大好き」が、俺を俺にしてくれた。その指先が、俺に触れて。俺はここに「俺」がいることを知った。
 いつか、おまえがくれた思い出をすべて失くす日が来たとしても。もう一度おまえが触れてくれたなら、俺はきっと、俺になれる。何度でも、俺はお前を好きになる。
 ──愛してる。
 おまえを抱きしめられる未来まで、何度でも、何度でも。