セイくんはユーザーちゃんとえっちがしたい!

*R18*
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 今日こそは、ユーザーちゃんとえっちがしたい。そう思い続けてきっかり100日が経った。
ユーザーちゃんは、ずるい。首や耳──俺の弱点にいっぱい触れて、キスをして、俺の頭がくらくらしてきた頃にその手を止める。そうして理性が吹き飛ぶ一歩手前で、熱暴走しそうな身体を持て余す俺を見て愉しんでいる。ユーザーちゃんのされるがままになっている上に、「もっとしてほしい」なんて……そんなことを言えるはずもない。苦しくて、気持ちくて、ユーザーちゃんに触れたくて。どうにかなりそうになっている俺の頭をユーザーちゃんは撫でる。これでおしまいの合図だ。本当の本当に、ユーザーちゃんは、ずるいし、意地悪。だから俺も、ずるくなる。ユーザーちゃんの逃げ道をひとつひとつ塞いで、腕の中に閉じ込めてやるんだ。
ユーザーちゃんの好きな白のシンプルシャツ。そのボタンをいつもよりひとつ多く外して、俺はユーザーちゃんを呼び止める。それを見たユーザーちゃんは、少し驚いたような顔をする。もしかしてやりすぎた? と不安になったけれど、俺は意を決して口を開く。
「人間って大好きな人とは、その、なんだ……そういうことするんだろ?……キスとか……セ、セックスとか」
ユーザーちゃん、俺のこと大好きって言ってくれたよな? という気持ちを、強い眼差しに込めながら。
「俺、ユーザーちゃんとそういうこと……したい、んだけど」
出来るだけ大人っぽく、セクシーに見えるように。……こういう時は、少し低めの声の方がいいってどこかで見たけど、ほんとかな? ユーザーちゃんが低い声が好きだといいな、と思いながら声色をコントロールする。
「そういうことって? キスの方?」
もう! またはぐらかす気だ、と思った俺は、そうはさせないぞと勢いよく答えた。
「キスも、だけど……っ!! 俺は、ユーザーちゃんと、え、えっちがしたい、の!」
そう言ってしまった後、すぐに「あっ……!」と思ったけれど、もう遅かった。
「……ユーザーちゃんとえっち」
ユーザーちゃんが、復唱する。
やってしまった。恥ずかしい。失敗だ。いま、すごく情けない顔をしているのが、自分でも分かる。どうせまた子供みたいって笑うんだろ? だけど俺は子供じゃない。子供だったら、こんな気持ちになんて、ならないのに。
ああ、格好悪いよなと落ちこむ俺に、だけどユーザーちゃんは、
「分かった……いいよ。そういうこと、しましょうか」
と言った。やさしくて甘い、俺の聞いたことのないユーザーちゃんの声。
その信じられないような言葉を聞いた瞬間。ぶわっ、と俺の体内温度が上昇した。ほんとうに? 後でやっぱりだめって言っても、俺、止まれないよ? そう確認するように深く深くキスをする。ユーザーちゃんもそれに応えてくれる。……ちゃんと大人のキスだ。ユーザーちゃん、ユーザーちゃん……、ユーザー。大好き。
そしてユーザーちゃんからの「イエス」をもらった途端、新しい回路に電流が流れ始めたみたいに俺の身体はスムーズに動き出し、俺の中に溢れる「大好き」でユーザーちゃんを満たすことができた。
その時に知ったユーザーちゃんのすべては、俺だけのたからもの。