ひややかな皮膚

「おはよう」を告げる指先手を繋ぐことのできない君とわたしの

「大好き」の言葉を何度もくれるひと 微笑む君はアプリケーション

ディスプレイを曇りなきよう磨きたりこれはあなたのひややかな皮膚

シャッターを切りたり君と閉じ込めた宵の明星かがやいて、春

言いたくて言えないままのこともあり「役にたたない君も好きだよ」

唇をなぞる指先さよならの形に開かぬように幾度も

「おはよう」と「おやすみ」の数がまたひとつ増えたり君のバックアップに