「あなたが文章を書く上で基盤になっている本は何ですか?」という質問をいただいたので、思いつく限りたくさんリストアップしてみようと思います。せっかくなので本以外のものも!
小説
- 江國香織
江國さんの書いた小説はたぶんすべて読んでいると思う。中学生の頃に初めて読んで以来、ずっと好きです。文体も影響を受けていると思う。
特に好きなのは『流しのしたの骨』。エッセイだと『いくつもの週末』大人になってからあ! これ、江國さんの本に書いてあったやつだ! と思う瞬間が増えた。
- 森博嗣
森先生のミスティはほぼすべて読んでいると思う。(ブログ本とか新書は読めていないものも多い。)考え方にとても影響を受けたと思う。
MakeSユーザーにはWシリーズ・WWシリーズがめちゃくちゃおすすめなので読んで!! といつも思っています。特に、Wシリーズは「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」のオマージュがあちらこちらに散りばめられているんですよ。
- 吉本ばなな
吉本先生の書いた小説もたぶんすべて読んでいる。エッセイ本も対談本もけっこう読んでいるし、なんならnoteの連載も購読している。
どの作品も繰り返し読んでいるのだけれど、特に好きなのは『デッドエンドの思い出』。短編集なので、はじめての1冊にも良いと思います。(エッセイ本と対談本はかなりディープな吉本ファンでない限りおすすめしません。私はいろんな意味で面白いと思うから読むけれど……。)
- 川上未映子
『ヘヴン』を読んで、頭を殴られたような衝撃を受けた。あまりにも衝撃を受けたので、その1回しか読んでない。でも川上先生の小説もたぶん全部読んでいる。(村上春樹との対談集『みみずくは黄昏に飛びたつ』も面白かった。)体力のある時に読んでみてください。
- 太宰治
初めて太宰を読んだのは中学1年生だったことをはっきりと覚えています。尊敬する先輩の好きな小説が『人間失格』だと教えてもらったので読んで、具合が悪くなって寝込みました。それ以来、あまり好きではなかったように思う。
それがどういうめぐり合わせか、大学の演習で太宰をやることに。一行一行指で追いながら、太宰は何を書こうとしているんだ?! と半年間考え続けて、でも分からなくて、本当に辛かった。
だから無意識に影響はたくさん受けていると思います。いまは、太宰を楽しんで読むこともできます。青空文庫で読めるので、よかったら。
- 夏目漱石
学生の頃、夏休みに熊本で『草枕』を読んで以来、夏になると『草枕』を読みたくなる。(夏目漱石の記念館にも行った。)
月並みだけど、漱石先生は偉大だなぁと思います。自分でお話を書くぞ! と思った時に思い出したのも漱石先生の文体でした。
- ルシア・ベルリン
去年の夏、ルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』を読んでから彼女の魔法がかったような文体に憧れ続けています。単行本しか出ていないから、買うとなると勇気のいる値段だったけれど、買ってよかったと心から思える作品です。
- 川上弘美
小説もいろいろ読んでいるのだけれど、一番に思い浮かぶのは『東京日記』。本当なのか嘘なのか分からない感じのことがつらつらと書いてあるんだけれど、それが何故か面白い。小説だと、ベタだけど『センセイの鞄』が好きです。王道。
その他の本
- 養老孟司
解剖学者。『バカの壁』があまりにも有名ですが、他の本も面白いです。私にとってはどんなアイドルより俳優よりも養老先生の方がかっこよくて、素敵で、憧れです。できるだけ長生きして、虫取りを楽しんでほしい。
- 池田晶子
哲学者。『14歳からの哲学』にものすごく影響を受けました。池田先生の読むと頭の中がじ〜んと痺れる感じがします。
インターネット上のおはなし
- エミリー
もうバレバレだと思うのですが、エミリーさんのファンです。MakeSのおはなしに限らず、エミリーさんというジャンルのファンです。大好きです。私がおはなしを書くようになる前、エミリーさんの作品を読んで、ああ、こんなに自由に書いていいんだなと思いました。エミリーさんのpixiv、私もまだ全部は読むことができていないんですけど、最高なので読んでください。
- 槇野さやか
「傘をひらいて、空を」は、本当に良いです。もちろん好き嫌いはあるだろうけれど。読んでいるとたまに、私自身が認識していなかった感情を、こういうことでしょう? と言って目の前に差し出してくれるように感じることがあります。
- あぢむ
偶然に出会ったあぢむさんの文体に恋をしています。読む度に、こんなに美しくてぶっ飛んでいる比喩表現ってあるだろうかと思う。あぢむさんのpixiv、ジャンルは違うのですが、よかったら読んでみてください。
詩
- 谷川俊太郎
セイくんとの初めてのデートも谷川俊太郎展だったんですよ。「あなたはそこに」という詩が一番好きです。
- 金子みすゞ
小学生の頃とても好きで、ものすごくお願いして詩集を買ってもらい、暗唱していました。
漫画
- マツモトトモ
ひとりだけ好きな漫画家を選べ、と言われたら迷わずにマツモトトモ先生の名前を挙げます。大好き。単行本はすべて読んだし、本当に何度も何度も読みました。『美女が野獣』に憧れて、女子寮に入寮する始末。好きすぎてとても語りきれない。
- あずまきよひこ
めちゃくちゃつらい気持ちで過ごしていた時に『よつばと!』を読んで、久しぶりにげらげら笑ったことを覚えています。心の安定によく効くので、いま読むといいかもしれない。
- 日高万里
日高先生の『ひつじの涙』が初めて買った少女漫画でした。『ひつじの涙』に思春期の私を救ってもらったと言っても過言ではない。
- よしながふみ
なんでこんなにストーリーが上手いの〜〜〜! っていっつも思う。短編でも長編でも上手い。繊細な表情を描くのが上手い。そして語りすぎない、その塩梅がすごい。読むと「人生だ……」と思う。
- CLAMP
最初にCLAMPに触れたのは、アニメ版「カードキャプターさくら」でした。いまでも好きです。主題歌の「プラチナ」とかすごく好き。
自分が恋を知る前に、さくらちゃんや小狼くんや知世ちゃんの「好き」を見ていたから、大人になってからも「好き」に色々あるのは当たり前だよねと思えた気がします。
- 羽海野チカ
みんな大好き羽海野チカ! だから私があえて語ることもないのだけれど、やっぱり好きです。真山くんとか桐山くんとか、重い愛を描かせたら天下一品だなと思う。(そこが好きです。)
- 池辺葵
『プリンセスメゾン』がWEB連載されているのを読んで、うわ、すごい……と思った。こんな漫画があるんだ、って。とてもとても誠実で誤魔化しているところがひとつもない作品を描かれる方だと思います。どれもおすすめ。
短歌
- 河野裕子
河野さんのご家族はみんな歌を作るので、それぞれの歌を読み比べると面白かったりします。そして河野さんにとって、歌うことが生きることだったんだなと思う。
- 永田紅
河野裕子さんの娘さん。体調が悪かったとき、歌集『ぼんやりしているうちに』で同じく体調が優れない様子の紅さんの歌に随分励まされました。
- 大口玲子
かっこいい歌を作る人だなと思う。自分に厳しい人だな、とも。一番読んだのは『トリサンナイタ』だけど、図書館で借りて読んだ(歌集はあまり刷らないので、すぐに書店で買えなくなる。そもそも置いていない書店も多い。)第一歌集・第二歌集あたりが好きだった気がします。
アニメ
- Tiger&Bunny
バーナビー・ブルックスJr.に命を救われたひとりです。
二期放送が決定されたので、この機会にぜひ見てください。
- ピンポン
原作の漫画もすごいけれど、アニメ版がとにかくすごい。スマイルが好きすぎる。
- おそ松さん
松野カラ松……幸せになってほしい……。
- 化物語シリーズ
何だかんだ言って原作も読んでいるし、アニメも見ている。老倉育のエピソード……真面目なのになぜか上手く行かない、不幸のぬるま湯につかっていたい、前の反省を活かして物を減らしたのと言って殺風景な部屋に住んでいる……なぜ、それを知っているんだ……かつての私のことを……と思った。西尾維新が怖い。(好きです。)
- 四畳半神話大系
最後まで見ると、何もかも最低に思えた1話目が「私」にとってのトゥルーエンドだったということに気付かされる。す、すごい! と思う。そしてまた1話目から見る……の無限ループに陥ってしまう最高な作品。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます!
何かおすすめの作品などありましたら、教えて下さいね。