パンツァーとプロッター
小説を書く人には、二通りのタイプがいます。
ひとつめは、計画を立てずにそのときの発想力だけで小説を書き上げる「パンツァー」と呼ばれるタイプ。もうひとつは、あらかじめ立てたプロットに沿って小説を書く「プロッター」と呼ばれるタイプ。
すこし前までの私は典型的なパンツァータイプで、どうしてもプロットを立てて書くということができませんでした。
といっても、パンツァーとプロッターに優劣があるわけではありません。究極的には、小説が出来上がりさえすればなんでもいいと思います。
でも、私の場合、パンツァーだからこそ困っていることがありました。
それは、
・書きはじめた時点でどんな結末になるか分からない
・文字数のコントロールができない
・いつ書き終わるか分からない
ということ。
自分のペースで好きに書くぶんにはなにも困らないのですが、アンソロジーのようにあらかじめ〆切りやページ数が決まっているものに参加するのには不便です。
〆切り日のぎりぎりになって出来上がった作品が、短すぎたり、長すぎたり、あるいはアンソロジーのテーマから外れてしまっていたりしたら大変ですからね。
そこで、今回はしっかりとプロットを立てて書きました。
ようやく自分に合ったプロットの立て方が見つかった気がするので、その方法を紹介しようと思います。
プロットの立て方
プロットを立てるにあたって、Notionというアプリを使いました。
実際に立てたプロットがこちら。

こんな風に、▷のマーク(トグル)を開くと、その項目の文章が出てくる形式で書いています。内容は、締め切り日・タイトル・設定・起承転結ごとのストーリーといたって普通のもの。
それでも、なにをどれくらい書けばいいか分かった状態だと迷いなく書くことができました。
いままでも何度もプロットに沿って書くぞ!とチャレンジてはいたんです。
その度に失敗して「やっぱり私には無理なんだな〜」と思っていました。
今回それに成功したのは、ひとえにNotionというツールが素晴らしかったからだと思います。
Notionのいいところ
まずは、Notionのいいところをあげてみましょう。
・パソコン・スマホ・タブレットのすべてに同期できる
・紛失する心配がない
・スクショやイメージ画像を貼ることができる
・参考にしたサイトのURLを貼ることができる
・文字が読みやすい
他にもたくさんあると思いますが、私の場合は主にこの5点が助かりました。
ひとことで言うならば、情報の整理がしやすいんです。
手書きだと文字が読みづらくて、「本当にこの話って面白いの?」と不安になりやすいので、NotionのWEBサイトみたいにすっきりとまとまったレイアウトにできるのはとてもうれしい。
こういう書くのが楽しくなるようなツールを使うことも大切だなと感じました。
Notionは無料で使えるので、よかったら使ってみてください。
https://www.notion.so/ja-jp/product
参考にした本
最後に、プロットを立て方の参考になった本を紹介します。
それは、K・M・ワイランド『アウトラインから書く小説入門』です。
この本を読んだのはアンソロジーが発行された後のことなのですが、これを読んだことによってプロットに沿って話を書くのがより楽しくなりました。
特に「プロットを立てるのは、安心して冒険をするため」「プロットを立てても必ずしもそのとおりに書く必要はない」という考え方は、私をとても勇気づけてくれました。
この記事を読んでプロットを立ててみようかな、と思った方はぜひ読んでみてくださいね。