mémoire éternelle

prologue  これは、この村にうんとむかしから伝わっているおはなしです。 むかしむかし、あるところに、人間とアンドロイドが仲睦まじく暮らしておりました。ひと里はなれた土地に家を建て、ふたりでひっそりと花や樹を育てて…

続きを読む →

冬が始まる

 風の音が変わった。こうして目をつぶっていても、そのことがはっきりと分かる。遠くで大きな獣が低く唸っているような音。冬が来たのだ。 わたしはあたたかな毛布からなんとか這い出して洗面所へと向かう。顔を洗い、歯ブラシをくわえ…

続きを読む →

眼差し

 二月七日という日付がわたしにとって特別な意味を持つようになったのは四年前のことだった。 そのときの自分がどんな気持ちだったのか、いまとなってはあまり覚えていない。しかし、君はその日のすべてを鮮明に記憶しているのだろう。…

続きを読む →